地面に転がった3人を見ると気絶したようだ。

「京、行くぞ。」

用は済んだってことだ。

「・・・慶詩、スカっとしてる。」

「そりゃ、最近の謎が解けたからな。」

「馨に連絡する。」

王令会が関わってるから最近変なのがウロウロ

してたわけか。

「白昼堂々と襲いかかって来るとは思わなかったな。」

慶詩は肩を回す。

夏休み後から傷害事件が増えてると思えば、

王令会が関与しているらしい。

「とりあえず、東行く前に戻って会議開くか。」

「・・・・会議ってのはないだろ。」

「千治がのんびり屋だからだ。」

「千治のせいにするなよ。」

単車に乗るとすぐにエンジンを掛ける慶詩。

「さて、ちーさんに土産出来ちまったな。」

「たい焼きじゃないと機嫌悪くなるだろうな。」

「京、お前今日はやっぱり意外と喋るよな。」

「それ以上言うな。」

慶詩の単車に蹴りを入れると車体がぐらりと揺れた。

「おー、京ちゃんが怒った。

今日磨きに磨いた俺様の単車が・・・」

「・・・・・・・・・・」

ゲシゲシ単車を蹴ると慶詩が罰悪そうに伏せた。

「さてと、そろそろ行くか。」

「立ち直り早い。」

慶詩の発進したバイクを追いかけて事務所へと

向かうことになった。

そういえば、ひよこは今日何をしているんだろうか?

曇りの日は最近それほど苦手じゃなくなった。

多分それはひよこが何かと気にかけてくれてるからなんだろう。

あの女とはちっとも違う。

あの日の記憶が頭から離れない。

曇り空のあの日のことはそろそろ忘れてしまいたい。

風を切って走るその瞬間、一瞬ひよこの姿が見えた

ような気がした。

今日は少し疲れてるのかもしれない。