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said:もっくん



ひーちゃんが校舎裏の方に居るとは思わなかった。

今は校舎裏に関係者以外立ち入り禁止の看板

出してあったのに、それが破壊されていることに

まず驚いた。

ひーちゃんはあんなに小さい体なのにどこから

来るのか分からない破壊力を持った子だ。

さーちゃん以上にひーちゃんは注意人物だ。

それに落ち葉のおかげか殆ど地面と同化していて、

運よく変なヤツとは接触してないだろうと思う。

焼き芋に誘ってくれるひーちゃんは何も知らなくていい。

「おーい、もっくんそっちはどうだった?」

「もう居ない。」

ひーちゃんは血で染められた俺の左手を知らない。

右手で落ち葉を払って左手は上手く隠せた。

「しかし、新井のヤツ乗り込んだとかいうデマ

流したの誰だよ。」

「百瀬が始末つけた4人じゃなかった?」

「ももっち派手にやったとか言うしな。」

それにしても血の匂いは良い気がしない。

「もっくん、何か良いことあった?」

ひーちゃんと話をするとさっきまでの

闘争心が落ち着いた。

「ひーちゃんが焼き芋するって誘ってくれた。」

「マジか!!俺も行くぜ。」

「俺も俺も!ヒヨリンに会いたかったぜ。」

「俺もぜひ参加の意向で!!」

「おいおい、お前ヒヨリンに感化されてるぞ。」

「いいじゃねーかよ、ヒヨリン言いそうじゃね?

参加の意向でとか言っちゃうだろ!!」

平和が訪れた。

ひーちゃんの話に食いつくさっきまでの暴れてた

奴らが嬉しそうに焼き芋パーティーの話で盛り上がり

始めていた。

多分、俺が心配するようなことは起こってないはずだ。

ひーちゃんの謎な行動には驚くものがあるが、

今回ばかりは俺の考えすぎだろう。