100m走の総合的順位では隣のクラスの青

が圧勝でそれを追いかけるように白と赤が

2位で、緑が4位、黄が5位、桃が6位で、

紫が7位となった。

次の種目はあたしが一番楽しみにしていた

と言っても過言ではないキャタピラ。

ちょっと、マニアックな競技だがこれは

意外と小柄の体を最大限に生かせる。

「ひよっちの勇姿は絶対見逃せないんだけど。」

「日和ちゃん、頑張ってね。」

「日和、負けるんじゃないわよ!!」

サユもあたしも勝負事には勝ちしかない。

「もちろん、余裕のぶっちぎり優勝して見せるわ。」

このあたしに不得意分野があるなんてことはない。

泳ぐことさえなければこっちのものである。

「次の競技はキャタピラです。選手の方はゲート

にお集まりください。」

放送の声が掛かり席から立つ。

「では、行って参る。」

「ひよっち、ウケるんだけど。」

クルミちゃんの笑いのツボがイマイチ分からない。

3人に手を振ってからゲートの方に向かった。

やはり、小柄の子が多いようだ。

ザワザワしているゲートの辺りでウロウロして

いたら、肩を叩かれた。

「ヒヨリンも出るんっすね。」

不良メンバーズの名前なんだっけの人だ!

ももっちとこの間オセロして負けてたのは

覚えてるんだけど、会員番号何番なのかしら?

「ええ、お互い全力を尽くしましょう。」

「そうっすね。」

この人、ひょ、ひょろ過ぎる。

隣に並んでいると太って見えるんではないかしら?

「1年立花」

名前を呼ばれてハッとして列に並んだ。

自分の番が来るまでは体育座りをして、大人しく

待機をすることになった。

さて、やってきたわ。

あたしのデビュー戦が待ちに待ったこの瞬間が

相手に不足はないわ。

スピードに任せて突き進みましょう。