あたしなんてちんちくりんは見向きもされないわ。

「お前そこまでブスじゃねぇからな。」

それは褒めてもいないわ。

向こうに見える光景は男の子に追われる女の子

たちが何組か居る。

「だから、馬被ってたんじゃねぇの?」

そっか、田中は馬子さんになりきってれば

子どもは集まって来ても男の子には見向きも

されないとそう思って言ってたのね。

「みんな意外と心配性だね。」

ふへへと思わず笑ってしまった。

「心配して何が悪い?」

ちぃー君?

あんまりにもちぃー君の顔が真剣で

ふざけちゃいけないと思った。

「悪いとは言ってない。」

心配掛けちゃいけないものだと思ってた。

だから、心配掛けぬようにと今まで頑張って

きたわけで結局心配掛けてはいたかもしれない。

でも、こんなことで心配するのが少し心に沁みた。

「保護者が7人出来たみたい。」

「やめろっ」

「それ、この間もそんなこと言ってたね。」

あ、この前は兄ちゃんだっけ?

お兄ちゃんが7人出来たみたいだって言ったよね。

「まぁ、マコ君とサユには敵わないけどね。」

あの2人は本気で保護者と間違われそうだもん。

「保護者になる気はねぇからな!!」

「分かってるよ。例えだから。」

冗談の通じぬヤツだ。

「ねぇ、一つ聞いていいだろうか?」

少しさっきから気になってます。

「どこに向かっているんだ?」

結局、歩み始めたみんなについて来ちゃう

パターンでいいのかな!!

田中、後で電話してあげるから待ってて。

「面倒臭ぇからお前連れてく。」

慶詩のその一言にみんなが頷いた。

全員賛同しちゃった。

これでいいのかよく分からないけど、

とりあえず付いて行こうと思います。