この学祭の時期は何かと騒ぎが起こるんだとか、

他校生でもガラの悪い奴らがわざわざ喧嘩吹っかけ

にきたりもするとかで今のも熱血先生のおかげで

凌げたものの喧嘩になってたら田中もカラフル

デンジャラスたちもみんな停学を覚悟しなきゃ

ならないかもしれなかった。

あたしは少し反省した。

時には我慢強さも大切なんだと言うことを。

東地区は北地区よりはまだ全然許せる程度の

チャチャを入れて来るけど北地区は熱血先生

を殴り倒してたかもしれねぇなっていうモヒカン

の言葉にドキッとした。

「日和ちゃんの知らない世界かな?」

確かに、あたしは知らなかった。

例え、不良メンバーズがいつも賑やかに

ゲーム争奪戦をしていても楽しそうだった。

その裏で何をしているのかなんて確かめた

ことは一度だってなかった。

でも、みんな傷だらけで痛々しくて見てられない

日もあったんだ。

どうしたのとは聞けなかった。

そこは触れるなと言わんばかりに何かに

口止めされている気分だった。

結局、暴走族とか学校のトップとか

その実態をこの目で確かめたことは

今までなかったんだ。

知ろうと思えばいくらでも出来たはずだ。

それでも、みんなはそれを望んでない。

「この数年はね、東西南北の地区に分かれて

結構揉めてたりするから仲が悪いんだよ。」

あんまり言うなよっていうメッシュの言葉に

モヒカンが口を閉ざした。

それ以上はきっと聞けそうになくてその日

帰る時は考え事を巡らせるあたしに田中が

必死に店番の時にあった話をしていたけど、

心ここに在らずだった。

そういえば、みんなは何をしているのだろうと

そう考えていたのだ。

みんなはああいうふうに喧嘩に巻き込まれなきゃ

いいけどと心配になった。