辺りは夕焼けが綺麗で
思わず、幸せを噛みしめていた。
…両思いになるって、
こんなにも嬉しいものだったのか。
今なら分かる。
風磨がノロケたくなる気持ちが。
握っている手を見て
ふと、疑問が浮かんだ。
「…そーいえば」
「ん?」
「お前と初めて会った時あったじゃん?」
「うん…?そーだね」
杏は何を言いたいのか
全く分からないみたいだ。
「何で、1年の頃から好きって言ってくれた のに、俺の名前知らないフリしたんだ?」
「そっそれは…///」
少しモジモジして、話し始めた。
「初対面なのに、名前知ってたら…
 気持ち悪いって思われそうだったもん」
「はっ!?///」
何言ってんだ、コイツ。
今日は何故…
しおらしいんだ。
まぁ、可愛いからいいけど。
「…だって、そうでしょっ?///好きな人に
 嫌われるのが一番嫌だから……///」
恥ずかしそうに俺の方を向く。
「…っ!?」
俺は思わず俺の胸に杏を引き寄せていた。