俺の大好きなアイツ。

「きっ桐谷っ!?」
「杏さんだぁ~!!!!」
桐谷がいた。
アイツの目には、うっすら涙が
光っていて…
「っ……ふっ……」
泣くのをこらえて
ドアから出て行った。
………何でアイツが泣くんだ?
そんなことしたら…
俺のことが好き…みてぇじゃん。
でも……
追いかけれない…。
俺にはまだ、そんな勇気はない。
「っ……行ってあげて下さいっ…」
美奈は泣いていた。
「どうして泣いてるんだよ」
「私…杏さんに意地悪したんです…」
「は?」
どーいうことだ、それ。
意味分かんねぇ。
「…詳しく話してくれねぇか?」
すると、美奈はコクンと頷いて
ゆっくり話し始めた。