「おい、海!女はどんな服着たら
 惚れるんだ?」
「…んなの、人それぞれ。だけど、
 シンプルに着こなしているんだけど
 オシャレに見えるっていう…
 あっ!これ、いいんじゃない?」
海が手にとった服は、
灰色のシャツに黒のスカジャン。
下はダメージジーンズ。
…確かに、格好いい。
「…んと、あとは、ネックレスとかの
 小物を利かせるといいかも!」
「ありがと…それにする」
「うん!デートで成功してね!」
「…おぅ」
…まぁ、成功とか、無理だけど、
その前に時間がないから、
この際、なんでもいい!
きちゃえ!
「おっ……似合ってる…」
自分でも言ってしまうくらい
しっくりきている…。
海…すげぇ。
「…じゃなくて!髪セットしないとな」
…あと10分…。
ヤバい。
またせるのだけは嫌だ。
むしろ、俺が待つ勢いでいないとな?
…デートの定義だろ!!
いつもの倍、時間かけて、
桐谷に格好いいって…
思ってもらえる、俺になりてぇし。