死にたがりの魔法使いくんと死神ちゃん







「んーー!」

私は、両手をあげ大きく背伸びをした。
付きまとってくるうるさい奴もいなくなったし!やっとのんびりできる。



時刻は午後1時。天気は快晴。
これは絶好のお昼寝日和ではないだろうか。


…ということで、私は先ほどいた場所から一番近い丘に来た。
ふわっと優しい風が吹いてきているし、絶好の場所だわっ!


ごろりと横になる。


「平和が一番だわー。あいつがいないだけで、こんなに清々しい気分!」


ふぁっ。と1つアクビをして目を閉じる。



………………………

…………………




「あら?あそこにいるのは…」

「あ!死神ちゃんだ」




………………………。





「おーーーーい!」


「あ、ちょっと!」




………………。



パタパタとこちらに駆け寄って来る足音。



……せっかく、もう少しで寝れそうだったのに。と心の中でぼやく。



「死神ちゃーーん!」


仕方がない、起きよう。と思い、目を開け上体を起こす。



「こんにちは。リーダ」

「気持ちよく日向ぼっこ中?」

「そっ。あなたに起こされちゃったけど」


リーダを軽くギロッと見やる。



「ごめんごめん。私達、ちょうどここにピクニックに来たから、死神ちゃんもよかったら、と思って」

「こんにちは」

「あ。こんにちは、リタさん」



ニコニコと笑いながら、後からやって来たリタさん。

リタさんとリーダは、エルフの姉妹。
人間とは違った、尖った耳。そして背中に生えた羽。
本来は小さな妖精の姿だが、下界で人間と共に生きているので、人間くらいの大きさでいる。その方が何かと便利らしい。



「あっ。お姉ちゃん!遅いよー。ねぇ!死神ちゃんも一緒にいいでしょっ!?」

「ええ、もちろん」



リタさんとリーダは、そんなに年の離れた姉妹ではないが、リタさんが物凄くしっかりしたお姉さんなので、リーダがかなり幼く見える。
人間でいうと、リタさんが、高校3年くらいで、リーダが高校1年か中学3年くらいだろうか。



「ウチのパン持ってきたの!死神ちゃん、一緒に食べよ!」

「先ほど焼いてきたばかりですので、よかったらどうぞ」



リタさんの手には、美味しそうなパンが乗っていた。
私はお礼を言ってから、そのパンを受けとる。



リタさんとリーダは、2人でパン屋を営んでいる。
とても美味しいと、下界ではちょっとした名物。