見知らぬ場所 (1/8)

「だあぁぁ―――っ! しつこいっ !」

暗闇の中、私は闇雲に走り回る。

月明かりのおかげで、それなりに 周辺の様子は解った。

けど、喜ばしくないのは、追っ手 も私と同じ条件下にいる―――訳 じゃないこと。

「……っ、いたぞ! こっちだ!」

(うわあぁっ! Uターン! Uタ ーン!)

相手の方が、ここら辺の地理に詳 しいこと。

「あーもうっ! どこだよここは ――――っ!」

もう本当に、そう叫ぶしかなかっ た……。