「生きて…。」

「…無理。」

そんなすぐに答えないで

彼は今日、ここを経つ。

分かってる。

医者も言ってた事だもの

でも…


「生きてよぉ。」


「…悪ぃな。」

「っやだ!!!」

「じゃあな…。」

「ぃ…。」


言葉を言い切る前に
彼は私の口に同じものを
押し当てた。





最期のキス。





二人が恋人だった証。

そして
命の終わりを告げる
無機質な音が病室に響く

でも、不思議と
涙は出なかった。

だって、彼は最期に私に
最高のプレゼント
をくれたから。

どんな言葉より
彼の想い
が伝わったから






















Last Kiss

(生きてやる、彼の分まで
私の終りが来る日まで)