「・・・へ?・・・何言ってんのミィ?」


ミィの発言で、一気に涙が引っ込んだ。電話の最中に、物が降ってきて変な所に頭ぶつけちゃったとかそういうのじゃないよね?


「だーかーらー、私が2人きりで告白できるようにしてあげる!!わかった!?」


「は、はい。わかりました。」


ミィの気迫と勢いに押されてしまって、思わず敬語になってしまう。私の返事を聞いたミィは小さく笑って、


「よし!それじゃあ準備があるから、電話切るね。それと、その涙で真っ赤になった目を明日までに絶対治しておくこと!じゃ、また明日学校でね。」


魔法を使う為の、魔法陣を描き始めた。


「ミィ!ちょっと!・・・ってもう切れてるし。」


こんな強引なミィを見るのは、喫茶店に私を連れていった時以来だった。

こういう時のミィは、絶対に自分の意見を曲げなくて、絶対に私の助けになってくれる事を、私は知っている。


なら、私はミィの信頼を裏切らないように、自分のできることをすればいいだけだ。


「とりあえずお風呂入って、顔を洗ってキレイにしなくちゃね。」


今できることは、ミィの言いつけを忠実に守ることだけ。

お風呂の中で、甘いものが大好きな魔女に何をオゴってあげようかな、なんてことを考えながら、明日に備えてきちんと準備をしておこう。


でも、一体魔法って何なんだろう?っていう疑問だけは、お風呂に入っても洗い流せなかった。