「・・・花火より驚いたんだけど・・・それを先に言ってよ。」


「だって、ミィが電話掛けてから直ぐに『どうだった?』って聞いてくるから。」


「確かに結果だけ聞こうとした私が悪かったのかも。とにかく、これでまだまだチャンスは作れるって事じゃない!」


「うん。明日・・・って今日は振り替え休日だし、夕方にでも成瀬君にメール送って呼び出してみようと思う。」


「頑張れ、コト。上手くいくといいね。」


ミィの声は優しかった。どう表現すればいいのか分からないけど、こう柔らかくてトロンとしてて・・・


「ねえ、ミィ、もしかして眠いとか?」


「うわ、バレた!?だって、もう2時だよ2時!しかもベッドに寝転がってるから眠くて眠くて。」


「ごめんね。こんな長話に付き合わせちゃって。そろそろ切り上げよっか?」


実を言うと、私もかなり眠くなってきていた。こんな時間まで夜更かししたのは久し振りだったから、身体が早く休ませろと私の動きを重くしてくる。


「コト、上手くいってほしいのは本当だから。成瀬君にちゃんと伝えられるといいね。」


「ん、ありがと。結果はまた報告するから、待ってて。」


それじゃあ、と言って電話を切る。私は沈み込むようにベッドに倒れこみ、あっという間に眠りに落ちた。


これが12時間前の出来事の一部始終。

告白への不安と、残された時間が少ない事への焦りを抱えたまま、私は前に進むしかなかった。