BBQは珍しい食材も用意されていて

皆、終始テンション高い。


お酒が入った千穂さん夫婦は

庭のベンチでラブラブし出したこともあって

俺と絢は夜のビーチに散歩に出ることにした。

ユウとユウの彼女はルームシアターで映画を観るらしい。


「絢、行くぞ」

「は~い」


傷みそうな食材を冷蔵庫に入れ終わった絢を呼ぶ。

夜のプライベートビーチはロマンティックというのだろうか。

水面に浮かぶ月が幻想的。

ロングチェアに腰掛けて星空を満喫する。

都会じゃ拝めない満天の星空。

雲が少ないこともあって、無数の星に魅了される。


「慧くん、凄い星空だよっ!」

「ん」

「贅沢すぎるねぇ~」

「そうだな」


星空を見上げる絢。

俺はそんな彼女を見つめていた。

彼女が試験勉強を頑張ったから、この景色を拝めたわけだし。

じゃなかったら、今頃いつもと変わらぬ日々を過ごしてたはずだから。


「明日、水着着れそう?」

「え?」

「明日、ユウ達が海に入ろうって」

「うん、平気だよ?」

「痛みは?」

「大丈夫」


俺に気を遣ってるのか、分からないけど

ニコッと愛らしい笑顔で返事してくれた。