10分くらい悩んだ絢は、ブツブツ文句言いながら

『お願いごとは別のに使うから買わない』と言い出した。

トータル5つのお願い券を手にしている絢。

1つは予め決めていたみたいだけど、

残りの4つは決まったんだろうか?


カフェでアイスティーをテイクアウトし、

俺らは飲みながらお土産物屋さんを散策。

琉球硝子のお店を見つけて、

絢とお揃いのグラスを購入した。

それから、やちむん(沖縄の焼き物)の店で湯呑みを購入。

お互いの家に置いて、ペアグラスとして使おうという事になった。


なんか、こういうのいいな。

今まで毎日のようにお互いの家で夕食したりお茶したりしてるのに

器を気にかけた事がなかったから。

絢から言われるまで、気付かなかった。


「絢、せっかくだから、お茶碗とかも買うか?」

「いいの?」

「ん」


親からお小遣いをたんまり預かって来た。

普段どこにも連れ出さないからだと思うけど

『絢ちゃんに嫌われないように』と物で釣る作戦取れって。

親がそれ言うのってどーなの?と思うけど。

正直、本当にデートらしいデートもあまりしてないから

今回ばかりは全日甘やかそうかと思ってる。