「絢、何飲む?」

「何でもいいよ」


慧くんの自宅に到着した私達は、

いつものルーティンのように飲み物を手にして2階へと。


センターテーブルにおやつとジュースを置いて

ラグの上に座ると、何故か今日は慧くんもラグの上に座った。


「どうしたの?」


普段しないことをされると、緊張する。

私、何かやらかしたっけ?

近くにいるというだけで、ドキドキしちゃう。


Yシャツのボタンを2つ開けてあって

素肌が眩しいというか、色気が駄々洩れで。

汗を掻かないのか分からないけど、

いつでもシトラス系の爽やかな香りを纏ってる彼。

そんな彼の視線が向けられたら、

胸がトクトクトクトクとやばいくらい早鐘を打つ。


「よく頑張ったご褒美、ハグしてやる」

「//////まだ結果出てないよ」

「投げ出さないでやり抜いたご褒美だから」

「//////」


どうしたんだろう。

無条件で甘やかしてくれるだなんて。

明日、台風でも来るんじゃないの?


「んだよ、俺様のハグは要らねぇのかよ」

「ッ?!い、要りますともっ、もちろんっ!!」


不要な疑いを持ってしまったら

彼の機嫌が速攻で悪くなりかけた……危ないアブナイ。