たまに『悪魔魂』チラつかせて
彼女を脅して楽しんだりしてるけど。
基本、俺は彼女にベタ惚れだから
彼女が嫌がることはしたくない。
揶揄いの範疇でじゃれ合うならいいけど
さっきみたいに一瞬で負のオーラ出されたらマジで困る。
「期末試験のご褒美、何か考えてるか?」
「えっ、……いいの?」
「じゃなきゃ、やる気出ねぇだろ」
「うっ、……うん」
最近は前ほどじゃないけど、
それでも、やる気を奮起させるのに苦労する。
人参チラつかせておけば、
結構長い時間でも頑張れる子だから
俺はコイツの願望をそのまま利用してる。
「今回の期末試験はさ、ちょっと難易度上げねぇ?」
「難易度……上げるの?!」
「ん」
「あ、いや……私はいつも通りでいいというか……」
やっぱり絢は、ほどほどがいいんだろうけど。
こっちはそうも言ってらんねぇんだわ。
夏休みに泊りで出掛けたいと親に話した。
もちろん、速攻で却下されたけど。



