6月上旬。

先月末にあった中間テストで

見事にクラス順位を8位に上げた。


毎日2時間くらい彼に教わっただけなのに。

彼の授業が1時間多い月水金は、

学校の図書館で過ごすようにして

その間に宿題をするようにしていた。


慧くんの勉強法はやっぱり私に合ってるようで

自分でも手応え感じるほど

彼のお陰で勉強が楽しくなって来た。


6月に入ると、衣替えという事もあって

ブレザー姿でなく、Yシャツ姿が眩しくて。

あっという間に夏になろうとしている。


「絢、どうした?」

「ううん、何でもない」


今朝自宅に迎えに来てくれた彼、慧くん。

サラッとした髪をワックスでアレンジしてあって

そんな髪に視線が釘付けになってると。


「髪、変か?」

「ううんっ、カッコいい」

「フッ、当たり前だろ」

「なっ/////」


余裕な笑みで歩き出す彼。

足が長いのは前からだけど

何だか、前にも増して長くなったような…?

というより、前より歩幅を合わせ辛くなって来た。


掴まれてる彼の手を握り返す。

それに気付いた彼が振り返った。