酔いが回って言っているのかと思ったら、
俺と絢が結納したのを知ったらしく、
ゆずちゃんを溺愛してるユウの父親が、
今のうちに小金井家に囲ってしまおう!作戦らしくて。
ゆずちゃんの両親も驚きを隠せない感じ。
まぁ、本人は、まんざらでもないみたいだけど。
「ゆずちゃん、そしたら毎日ユウに会えるよ?」
「えっ?!」
一人暮らしをさせたくないのか、
半強制的に同居を示唆している。
まぁ、ユウの家は大手の建設会社ということもあって、
5階建てのビルっぽい自宅だから、
部屋は腐るほどあるんだろうけど。
ゆずちゃんには4つ下に弟がいて、
娘を遠くに嫁がせるわけでもないし、
家には下の子がいることもあって、
特段反対してる素振りもない。
もしかしたら、近い将来、
俺らの後輩が出来るかも……?
「さすがに慧くんみたいにうちの息子はしっかりしてないから、2人暮らしは認められないなぁ」
「卒業と同時に一人娘をあんな遠くに手放せる自信は私共には無いですよ」
ゆずちゃんの母親の言葉に、俺も納得。
よく一人娘を手放す気になれたものだよ。
って、俺がそう仕向けたんだけど……。