いずれは必要になるから、

免許自体は取るつもりだけど……。


少しずつ環境の変化を受け入れる時期。

今までは親が支えたレールをただ進むだけだったけど

これからは、自分で進むべき道も選択しなければならない。


「ゆずちゃん」

「ん?」

「コイツが浮気しないように、目光らせろよ」

「うんっ、分かってるって!」

「浮気なんてしねぇよっ!」

「どうだか……。この間だって、他校の子からファンレター貰ってたじゃん」

「あれは、後輩が勝手に受け取ったから」

「捨てればいいものを」

「さすがに、それは出来なくね?」

「何でよ~っ、私に見られる前に捨てたら済むじゃん」

「まぁまぁ、その辺にして、ね?」


絢が仲裁に入った。

別に喧嘩させたいわけじゃないんだけど、

最近のユウは、ちょっと図に乗っていて。

だから、今のうちにお灸をすえておきたかった。


「例えばさ、ゆずちゃんがプロのヘアメイクさんになって。芸能人とかのメイクセットとかして。そのお礼にケーキとか花束貰ったらどうなんだよ」

「嫌に決まってるだろ」

「それ、ゆずちゃんも一緒だから」