11時を過ぎるとちらほらと混み始めて来た。


「絢」

「ん?」


2投目を投げるためにボールが返って来るのを待っていると

ボックス席に座る彼に手招きされた。

彼の元に歩み寄ると、

彼が来ていたシャツが腰回りに巻かれた。


「パンツ見える」

「っ//////」

「他の奴に見せんな」

「//////」

「スカート短すぎっ」


慧くんのために短いスカートにしたんだけど。

ボウリングには不向きだったようだ。


11時半過ぎにボウリング場を出て、

エキナカのお店でお昼ご飯を。

慧くんママが予約してくれた『釜めし専門店』で

春を先取りした限定釜めしに舌鼓を打つ。


食事の後は、ちょっと背伸びした気分を味わうように

日本画や書画の個展が開かれてる美術館へ。

日本を離れたら、絶対日本が恋しくなるだろうからって。

彼と手を繋いでゆっくりと芸術作品を瞼に焼き付けた。


「ブレンドコーヒーのトールで。絢、何飲む?」

「う~ん、キャラメルマキア―トのホットで、キャラメルシロップに変更して、それとホイップクリーム追加で、サイズはトールでお願いします」

「めっちゃ甘そう」

「フフッ」


最近お気に入りの『ドルチェキャラメルマキアート』を注文した。