「絢」


自分が座ってる横を叩いて彼女を呼び寄せる。

不思議そうな顔した彼女が隣りに腰を下ろした。


そんな彼女の襟を抓んで

中を覗くみたいにそっと広げた、次の瞬間。


ッ?!!!

何だ、これ……。

キスマークじゃん。

ってか、俺、こんなところに付けた覚えない。

そもそもここ数日、そういうことしてないし。


だとしたら、どうして付いてんだよッ!!

ってか、誰に付けられたんだよっ?!

いつ?

昨日??


俺の見間違いかと思い、何度も確認する。

……見間違いじゃないらしい。


「絢、これ、どうした?」

「え?……何かに刺されてるの?」


自分じゃ見えないところだって。

襟を掴んで見ようと首を振ってる彼女を見据え

怒り心頭なんですけど、……俺。


俺様の女に手を出した奴はどこのどいつだよッ!!

ってか、絢も絢だろっ!

こんなもん付けられてて気づかねぇとかありえねぇ。