自宅に絢を連れ込んで

飲み物を手にして2階の自室へと。


絢はいつものようにラグの上にちょこんと腰を下ろした。


「何か今日は暑いねぇ~」

「エアコン付けるか?」

「あっ、いいよ、別に。……窓開ければ」


絢は窓を少し開けて、再びラグの上に座った。


ブラウスの襟を少しパタパタと煽いだ、その時。

背中に近い、後ろ首の下辺りに傷のようなものを見つけた。


ソファーの上に座っている俺からは見下ろす形で

目の前にいる彼女の後ろ姿がよく見えていて。


……どこかにぶつけたんだろうか?


白い肌だからそれが異様に目立って目についた。


1.5リットルのペットボトルから烏龍茶をコップに注いだ絢。


「慧くん、はい、どうぞ」

「あ、サンキュ」


いつもと変わらない。

痛みは無さそうだけど。

GW頃から急に気温が上がって来たから

虫にでも刺されたんだろうか?


「絢、背中、虫に刺されたのか?」

「え?……背中?」

「ん、赤くなってる」

「ん~……特に刺されてないと思うけど」


絢は首を傾げた。