「いいよ」

「ホントッ?!」


全然よかねぇよッ!!

つーか、今の俺、腸煮えくり返ってるから!

100万歩譲って、許可してやってんだからな!

惚れた弱みにつけ込みやがって。


にこにこと愛らしい顔で俺の腕に抱きつく絢。

そんな風に甘えられたら、

俺の感情なんてどーでもよくなるだろっ。

ホント、ますます翻弄されっぱなしだっての。


「大学の選考試験をさ」

「ん?」

「2人で無事に合格出来たら」

「……出来たら?」

「俺に、ご褒美券ちょーだい」

「……うんっ、いいよ!」

「え、いいの?」

「だって、これまでずっと頑張ってくれたんだから、1つと言わず、3つくらいあげるよ!!」

「マジで?!」

「あ、でも」

「ん?」

「一度に3個消費とはやめてね?1つでも強力そうだからっ//////」

「フフッ、……了解♪」


得体のしれない男との勝負?みたいなものなのかもしれない。

絢の心を射止めて、その心の部屋を独占する権利。

1歩も引く気ねぇし、1%も譲る気はさらさら無い。

相手が俺の存在すら知らねぇとか、そんなことはどーでもいい。

この目の前の女の心を、常に俺で埋め尽くしたいだけ。