「よかったのか?……あの物件で」

「うん。充実しすぎるくらいだもん」


イギリスに来て、3週間が過ぎた頃。

毎日のように物件やら病院やらお店やら

私のために安心材料となる施設を

これでもかというくらい廻ってくれる2人。

正直、どこでもいいというか。

少しくらい利便性が悪かろうが、

家電製品が古かろうが、

彼がいてくれたら、全てが帳消しになるくらい

『神宮寺 慧』と人物が一番の決めてだもん。

だから、2人がごり押しする物件で了承した。


明日、仮契約みたいな手続きをしに

3人で仲介業者との話し合いをして

その後に、大家さんである所有者と会うことになった。


来年からの滞在先となる予定の物件は、

コンドミニアムで、しっかりと管理されているらしい。


問題は、留学するための入試試験に合格出来るか?という点だ。

物件を押さえたのに、不合格になったら元も子もない。


「心配になって来た」

「何に?」

「……受かるか」

「フッ、大丈夫だって。俺がちゃんと叩き込んでやるから」

「っ……」