俺の自宅に到着し、珍しく母親がリビングで昼寝していた。

起こさないようにおやつとお茶を手にして、絢と2階へ。


「ママさん、具合でも悪いんかな?」

「寝不足なんだと思う。父親の帰りが遅くて、朝方まで待ってたみたいだから」

「そうなんだぁ。寝ないで待ってるだなんて、ママさん素敵」


確かに。

先に寝る妻もいるよな。

うちの母親はこれまでもずっと起きてる派だったけど。


「この先、慧くんがお仕事で夜遅くになるようなことがあったら、私も起きて待つようにする♪」

「何で?……寝てても俺、別に責めたりしないぞ?」

「そういう問題じゃないよ」

「は?」

「気持ちの問題だよ。……好きですっていう、意思表示だもんっ/////」


そういうものなのか?

まぁ、確かに。

好きな相手じゃなきゃ、何時間も待ってられないか。

けど、それって、同じ家に住む限定じゃね?

マンションの隣りの部屋とか、階違いでも有効なんだろうか?


「絢」

「ん?」

「俺が、正式に婚約したいって言ったら?」

「へ?」


だって、この話の流れでいったら、

……そういうことなんじゃねぇの?