飲み物とどら焼きを手にして自室へと上がる。

帰宅時間を考慮して予約しておいた部屋は涼しくなっていて、

『涼しい~~っ』と、絢が両手を伸ばした。


ラグに座ろうとする彼女の腕を掴んで、

ソファーに腰を下ろし、その隣りに彼女を座らせた。


「結果は?」


彼女の目の前に手を差し出す。

結果が悪かろうか、別に責めるつもりはない。

高校3年なんだから、皆誰しも努力して成績を上げようとするから。

だから、絢の成績が落ちたとしても想定内。

他の奴らがそれ以上に努力したという事だと思うし。

それならそれで、更に厳重に対策すればいいだけ。


「ん、見せてみ?」


至って平常心で手を差し出した俺の手の上に

絢は無言でA4のファイルを乗せた。

振り返りがし易いようにファイリングするように話してあるからだ。


「おっっ、1位じゃんっ!よく頑張ったな」

「うんっ//////理数系めっちゃ頑張ったもん//////」


確かに。

今回は得意科目よりも苦手科目を中心に注力していた。


「でもね?去年のクラス1位だった子、別のクラスなんだよね……」

「………でも、科の順位も上がってるじゃん」

「うんっ/////えへへっ/////」