「まだ決めてないというか、何を専攻したらいいのかすら分からないけど」

「けど?……けど、何だよ」


ほら、まただ。

私が色よい返事をしないから

イラっと来るのは分かるんだけど。

そんな風に威圧されたら、考えたくても委縮しちゃうよ。


「慧くんの希望してる大学に、私もちゃんと受かるか分からないし」

「それは大丈夫」

「っ……、何で言い切れるの?」

「一昨年からちゃんと下準備してるから」

「下準備?」

「ん、……心配すんな。お前の将来を無駄にするようなことはさせないから」

「っ//////」


そうやって甘いセリフ囁いたら、

私が顔を縦に振るとでも思ってるのかな?


「私、自信が無いんだけど」

「何の自信?海外で生活すること?それとも、海外の大学に進学すること?……それとも、俺について来ること?」

「……全部」

「……はぁ」


あ、盛大な溜息吐いたよ。

そりゃあ、あんだけ覚悟して将来のことを話してくれたわけだから

慧くんの将来のビジョンは理解してるつもりだよ。

だけどさ、そのしっかりと練られたビジョンに

私が足手纏いになったら?と思うと怖くて。