完全に固まってる絢。

無理もない。

国公立の大学を口にしても、

たぶん固まるだろうとは思ってたけど。

その想像を遥かに飛び越えたワードだもんな。


「絢のスキルと俺の目指してるものとを考えた結果なんだけど」

「留学って、……海外ってこと、……だよね?」

「ん」

「私、……慧くんみたいに頭良くないよ??」

「いや、既に十分、基礎部分は構築されてるから、結構レベルの高いとこでも受かるはず」

「え、何で、そんな簡単に言えるの?」

「留学するとなると、英語のスキルが最低条件になるから。絢、その点に於いて問題ないだろ」

「っ?!!……ホントに?」

「ん」


確かに、同じ大学に通うようになっても、

多少専攻科目が分かれるのは想定内。


「絢はさ、グローバル関連の秘書に必須な専攻して貰えれば」

「???」

「心配すんなって。詳しいことは、追々話すから」

「……」


完全にパニクってる。

まぁ、仕方ないんだけど。

それでも、一歩、いやだいぶ進めたから、マジで嬉しい。


「ありがとな、絢」


ポンポンと優しく頭を撫でると、

照れた表情をしながら抱きついて来た。