「慧くんは?」

「もちろん、受かってるに決まってるじゃん」

「フフッ、さすがだね」


俺も絢と一緒で、日中にネット上の試験結果を確認済み。

ワシャワシャと絢の頭を撫でた、次の瞬間。

その手を両手で掴み、場違いなくらい真剣な眼差しの彼女。


「どした?」

「……あのね?」

「……ん」


ご褒美券を消費するつもりか?

まぁ、あんだけ頑張ったしな。

2級だと、単語力もぐっと上がり、

暗記する量も相当量ある。

日常に使う単語以外にも知識量を問われるから。

俺が試験に出やすい単語や文法を纏めておいたというのもあるけれど、

それをしっかり身につけなければ、意味がないから。

彼女が実力で手に入れた『合格』だということ。


「何、改まって」

「っ……、えっとね……」


言い辛い系のおねだりなんだろうか?

クリスマス以来、おねだりの度合いが

急にハードルが上がったことに、正直動揺して。

今も、結構ハードなこと言われるんじゃないかと、気が気でない。

ごくりと生唾を飲み込み、彼女の言葉を待っていた、次の瞬間。


「私、……慧くんのサポートしようと思う。サポートさせて下さいっ」

「………え?」