「ただいま~」

「お邪魔しま~す」


自宅に到着し、キッチンへと向かう。

冷蔵庫にエクレアが用意されていて、

それにメモが貼られていた。

『友人のお見舞いに行って来ます』

母親は不在らしい。


「絢、何飲む?」

「何でもいいよ」


俺は絢にエクレアを渡し、烏龍茶のペットボトルを2本手にした。

部屋に入ると、窓が開いていて清々しい風が入って来る。


「風が気持ちいいね」

「……だな」


彼女はエクレアをテーブルの上に置いて、

ラグの上にいつものように腰を下ろした。

俺はそんな彼女を見据え、

ペットボトルを手渡し、隣りに腰を下ろす。


「で?……結果は?」


合否がどうであれ、現状を把握したい俺は

大きな溜息のような深呼吸をする彼女を捉えた。

すると、絢はスマホを立ち上げ、

それを俺に見えるように差し出した。


「おっ、受かってんじゃん!」

「えへへッ」


にこっと照れくさそうに微笑む絢。

オンラインでの試験結果を俺に見せてくれた。