「大学で習得したい科目があるって言ってたけど、どういう系?経済学とか?」

「MBAって分かるか?まぁ、それだけじゃないんだけど。とにかく、必要なスキルは柔軟に吸収するつもり」

「………」


す、すごいっ!

やっぱり、ビジョンがしっかりと確立されてる。

私なんて、大学卒業するまでに将来を決めればいいか的に考えてたのに。

きっと、そういう思考ではいけないんだろうな。

こんなダメダメな私なのに、

何故、慧くんは私が必要なんだろう?

彼女だから?

だけど、適材適所があるように、

優れた人材を傍に置いた方がいいに決まってる。


「何で私なの?」

「何の話?」

「仕事をサポートするのが、何故、私なんだろうか?って思って」

「あぁ、それか」


胡坐を掻いてる慧くんが、体の向きを私の方に向けた。


「事務的処理だとか、専属秘書とか考えたら、専門スキルの人を雇えば話は早いけどさ」

「……ん」

「核の部分がブレたら意味なくね?」

「核?」

「ん」


慧くんがテーブルに頬杖をついた。


「俺のやる気が常にMAXでキープされるために……絢が必要だから」

「っ////////」