冬休みの宿題をしながら、

時折彼を盗み見して、眼福を味わう。

黙ってたら、文句なしのイケメンだもん。


「集中しろ」

「っ……はい」


盗み見してるのが、バレた。


「絢、英検何級?」

「英検?……3級?中学の時に取って以来、受けて無いけど」

「じゃあさ、来年、2級受けてみ?」

「にっ、……2級?無理じゃない?その間に準2級あるよ?」

「準2は3級に毛が生えたくらいだから、受けてもそれほど意味がないよ」

「……そういうものなの?」

「……まぁ、自論だけど」


不敵に微笑む彼。

きっと彼の脳内は、私なんかが想像できないような構造になってるはず。


数日前に『プロポーズ』的なことを言われた。

彼が思い描く将来図に、何故か私が必要なんだと。

正直それを聞いて、めちゃくちゃ嬉しいし、

どう言葉で表現していいのか分からないくらい倖せなんだけど。

まだ17歳という年齢で、

進学先だけでなく、将来を決めていいのか、分からない。


帰宅して、親に報告相談してみて。

『パティシエ』や『医師』や『保育士』みたいな専門職なら

この年で将来を決めて進路先を決めるのだから、

決して早いわけではないと教わった。