絢のおでこをぐ~~っと人差し指で押し退け、

俺の腕に張り付いてるのを無理やり剥がす。


「……慧、くん?」

「何」

「っ……」


俺の行動が意外だったようで、

みるみるうちに目に涙が溜まる。


「返事まだ貰ってないから」

「ん~んっ」


拗ねてもダメ。


「1つしかないご褒美券を使ったんだからな?」

「っ……分かってるよっ」


別に甘やかしたくないわけじゃない。

俺の真剣な気持ちを理解して欲しいだけ。

遊びじゃない。

将来を見据えて、ちゃんと考えて出した結果なんだから

甘えでおねだりしてるのと同列に考えて欲しくない。


「慧…くんっ」

「ん?」

「ちゃんと真剣に考えるからっ、連泊してもいいっ?/////」


結局、そこかよ。

まぁ、俺的にも、連泊してくれるのは嬉しいけど。

いいのか?

こんな順調で。

何だか拍子抜けというか。

何かトラブル起きた時、俺、冷静でいられるだろうか?


「進学先決めるまでの間に返事貰える?」

「………」

「それによって、進学先が変わるから」

「……ん、分かった」


小さく頷いた絢。

そんな絢に応えるように。


「ヨロシク」

「っ//////」


俺はぎゅっと彼女を抱き締めた。