中学に上がった頃から、親に教わり株投資をして来た。

年齢制限がないから、親の同意さえあれば可能で。

小遣いやお年玉を使って、色々試した結果。

この5年で50万くらいの元手資金が、

数千万円にまで成長してて。

今まで、赤字になった事は無い。


「大学もさ、一緒のところに行きたいって言ったのは、これがあってのことだから」

「………う、うん」

「だから、俺と足並み揃えて貰いたいんだけど……」

「………」


即答が貰えるとは思ってない。

むしろ、ちゃんとしっかり考えて答えを出して貰いたいから。


「考える時間、……貰ってもいい?」

「もちろん。ゆっくり考えろ」

「………ん」

「さて、んじゃあ、ケーキでも食べるか」

「え?……あぁ、うん」


入れかけのカップに紅茶を注ぎ、

母親お手製のチョコレートケーキを

フォークで一掬いして、パクリ。

俺の言葉に動揺して、ボーっとしている絢に口づける。


「んっ……ッ……/////」

「旨いか?」

「っ/////うん//////」


急に変なこと言ってごめんな。

けど、そろそろ言っておかないと、

進路も決められなくて……。

酷だということは重々承知してるんだけど、

無条件でついて来てくれるだけでいい。

切に心の中で絢に訴えかけていた。