彼にご褒美券をあげるだなんて、

かなり危険な選択だと思うけど。

でもやっぱり。

私の成績が上がったのは、

紛れもなく、彼が懇切丁寧に教えてくれたお陰だから。


それに、彼がする『おねだり』が気になる。

どうせ、アブナイ方向だと思うけど。

それでも、彼の脳内を少しでも知りたいから。


私の全てを知ってる彼。

恥ずかしさは未だにあるけど、

だからこそ、何も隠したくないから。

彼の前では、常にありのままでいたい。


「どんなことでも叶えてくれるのか?」

「う~ん、出来る範囲で善処しますっ/////」

「なら、1つしかない」

「えっ?……もう決まったの?」

「ん」


早っ。

そんなあっさり決めていいの?

1つしか無いのに……。

私なんて、6個も持ってても

ず――――っと悩んでたのに。


「どんなこと?」

「今は言えない」

「え?」

「言いたくなったら言う」

「………分かった」


口の端を緩やかに持ち上げ、

怪しい光を宿した瞳は、

物凄いあくどいことを考えているのか。

背筋が凍りそうな感覚に陥る。


言わなきゃよかったかな……。