「この前も言っただろ。俺は絢と同じ大学に行くって」
「慧くんなら、どこの大学でも受かるだろうけど。私のレベルに合わせたら勿体ないじゃないっ」
「誰が決めたんだよ、それ」
「決めたっていうか、そういうものじゃないの?」
「ぁあ゛?」
怖いコワイこわいっ……。
声まで怒気が滲んでて、正直変な汗出て来た。
「言っとくけど、俺のビジョンにケチつけんな」
「ッ?!……べ、別にケチなんてつけ「つけてんじゃん」
「………」
彼の将来設計がどういうものか、さっぱり分からないし
彼の思考方向も全くもって理解出来ないけれど
これだけは、分かった。
『私は彼に求められてる』のだと。
同じ大学に行きたいという彼の気持ちが
テキトーに言った言葉でないことは、漸く理解した。
その経緯とか、理由は完全スルーされてて呆れ返るけれど。
だけど、同じ進路を希望してくれる気持ちはやっぱり嬉しい。
「慧くん、私にベタ惚れなんだね?」
「っ……、んなこと分かりきってることだろ/////」
あ、照れてる。
かわいい。
「ってか、お前はもう少し、俺のこと考えろ」