ブラック王子に狙われて②



「何、俺のこと心配してんの?」

「え?……あ」


要らぬスイッチを押してしまったらしい。

目が、目が完全にオスに変化(へんげ)した。


う゛ぅっ……どうしよう~~。

目の前のテーブルを横に退けて、

妖美な視線を向けながらにじり寄って来るっ!!


「えっと、あの……そのっ…んッ……」


彼の圧に負けた私は、

覆い被さるように迫って来る彼から逃れようと

そのままラグの上に倒れ込んだ………はず、なんだけど?

あれ?

どこも痛くない。


恐怖のあまりぎゅっと閉じた目を恐る恐る開けると、

彼の美顔が目の前に!!

しかも、私の頭が床にぶつからないように

しっかりと彼の手でキャッチされてるっ/////


「危なっかしいやつだなっ」

「ごっ……めんなさいっ/////」


頭に添えられた手が、ゆっくりとラグの上に置かれた。

そして、再び万事休す―――。


「っ//////」

「ミニトマトみてぇ」

「//////」


だって、超カッコいい慧くんが目の前にいるんだもん。

私の顔の両サイドをロックする形で手をつく彼。

彼の吐息が頬にかかる。