なるほどな。

絢、お前、どんだけ俺を惚れさせたら気が済むんだ。


俺の可愛い彼女は、

近くにいる女子に嫉妬したようで

牽制する意味合いで、俺に扇子を持たせて

それをカーテンのように遮る素材にした上で

俺の首にキスマークを付けた。


「満足か?」

「うん//////」


滅多な事じゃない限り、

いや、俺が付けろと言っても速攻で拒否る彼女が

頼んでもいないのに、自ら仕掛けて来た。

俺を『彼氏』として堂々と横に立たせたいらしい。


何てことないよくある陰口に対抗して

絢なりに頑張ってしてくれたんだろうけど。

牽制したいなら、もっといい方法があるのに。


「絢」

「ん?」

「あの子らに見せつけたいんだろ?」

「っ//////」

「なら、簡単」

「え?んっ……っ……んッ//////」


19時を過ぎてて、灯りはあるものの

夜の薄暗い中で、キスマークは遠目じゃ見づらい。

だから、俺は、堂々と。

彼女らにちゃ~んと分かるように、絢にキスをする。

それも、結構なハードなやつを。


人目も憚らず、数分の濃厚なキスをした俺は

ゆっくりと唇を離すと、とろんとした表情の絢を視界に捉えた。


「あっ」


ヤバい。

この顔は他の男には見せれねぇ。