「そういえば、ほらっ」 涼は袋からさっき買ってきた物をあたしにくれた。 涼の肩に体を預けて食べる。 いつだかのデートで海に行ったことを思い出す。 あの時はまだお母さんが亡くなったばかりで、毎日が寂しくていた。 涼や榊さんがいても、いつかは孤独になってしまうのではないか……と不安で仕方なかった。 でも、 今は違う。 あたしには涼がいる。 それに真莉や矢野、榊さん、お母様やお父様まで。 あたしって幸せ者だなぁ。