「シロs―—」
私がハッと我に返って彼の名を呼ぼうとすると、シロさんは自分の口に人差し指を立てて「静かにしろ」というジェスチャーをする。
彼の左頬には少し返り血がついていた。
私は大口を開けていたので慌てて口を手で覆うと、ラガーが小さく吹きだした。
ムッとラガーを睨みつけると、彼はニヤニヤしたまま私と目を逸らした。
-----ザザッ
また、何かが擦れる音がする。
私はふざけたことを止めて、音がした方に意識を集中させる。
「!」
そして暗闇の中から突然飛び出してきた鋭いものをロンコーネで受け止める。
-----キィンッ
ザァアと風が吹く中、そんな金属音が響いた。
「クソッ」
そんな、聞いたことのある声と共に。
「どうしたんです?」
急に聞いたことのある声と違う人の声がしたもんで、私を含む三人は顔を見合わせて瞬きをする。
知ってる声と知らない声と、二人がいるっていうことか?
シロさんの頭の上にあるクエスチョンマークが見えたような気がした。
「……誰」
シロさんが訝しげな顔をして音がした方に声をかける。
「おっ!!?」
そこから嬉しそうな声音がする。
「……………」
これはもしかして。
いや、もしかしなくとも。


