「……なに」
ずっと私がシロさんを観察していることに気づいたのか、彼が訝しげな表情で私を見た。
「なんか、痩せてません?」
「え」
彼は私にそんなことを言われると思ってなかったのか、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をする。
だけどすぐに、呆れたように言った。
「食べてる。それにこれが俺の普通」
……言うと思った。
「じゃ、わたしが作る料理、食べてくれますよね?」
だから私は少々……いや、かなり無理があるけれどもそう言った。
だってこれしか思いつかなかったんだもん。
案の定シロさんは思いっきり眉をしかめて、ギルは、え…?と固まった。
二人の顔には「どういう風になったら手料理を食べるとかいう話になるんだ」と書いてあった。
大事なことなのでもう一度言おう。
それしか思いつかなかったのだ。
「まぁ、いーじゃん。甘えよーぜ」
「あ…あぁ……」
こうして私はギルとシロさんに手料理をふるまう約束してしまったのだった。
その、ギルがルンルンでどこかへ行った後。
彼はギルの背中を見ながら、俺にギルは扱えないと、今にも消えてしまいそうな声音で言っていた。
その言葉の意味は分からないけど、彼の背かながいつになく寂しそうだったのを覚えている。


