天を衝く槍



「もしかして、あの紫の?」


ニヤニヤして笑を堪えながら言うギルの言葉を聞いたヨースケが、ブッと吹きだす。


……む、紫のクッキー…?


私は思い切り眉根を寄せた。


そして彼らの反応を見て、それは罰ゲームに食べさせるマズイ物のようなものと見た。


「そう、それそれ」


「ぎゃはははははははっ」


ギルとアルは二人で大笑いしている。


どうやら相当マズイものらしい。


「じゃぁ、そろそろジルがここに戻って来てもいい頃じゃない?」


「「っっ…!!!」」


肘をついたシロさんの発言でピタリと二人の笑い声が止まる。


「……アル……コラてめぇェェェ…」


ふと、遠くから唸るように聞こえるジルの声。


「……や…やばい……後のこと全然考えてなかった…」


サーッとアルが顔を真っ青にして言う。


「に、逃げるが勝ちだ!んじゃ、またねっ」


アルは私達に別れをつげ、ドタバタと走ってどこかへ行ってしまった。


「………………」


「………………」


「………………」


「……ジルから逃げ切れんのかな…」


アルが走って行った方を見て、私は誰に言うわけでもなく呟く。


「無理…だと思う」


それに答えのは意外なことに、シロさんだった。


「狙った獲物は絶対逃さないし、」


「ジルの嗅覚、犬並やし」


シロさんの言葉をヨースケが紡ぐ。


「でもま、アルなら―—」


ギルが何かを言おうとしたところで、アルの悲鳴が響いた。