「っ!!!」
ロッジから出ると、目が眩んだ。
ゆっくりと目を開けると、視界いっぱいに広がる真っ白な景色。
雪だ。
「リャノは東、コウガは俺の目の届く範囲で殺って」
ジルは当たり前だと言わんばかりに指示した。
リャノはすぐに東へ行き、ここには私とジルだけになった。
「基本、複数対一人」
今ここには、いつものヘラヘラしたようなジルはいない。
「耳を澄ませて、周りをよく見ろ」
だんだんと地面が揺れる。
「……来るよ」
彼はニヤリと不敵に笑い、自分の武器を取りだす。
いや、正確には、自分の右腕を変化させた。
変化。
一回り大きくなって、鋭い爪がむき出しだ。
揺れで木々にかかっている雪がドサドサと落ちていく。
そして、雪煙が舞う。
「ガァァァッ」
ウサギ特有の、黒板に爪を立てて引っ掻いた時に聞く音のような不愉快な声が聞こえた。
私はゴクリと生唾を飲み込み、フォシャールを握る手に力を込めた。
冷たい北風が勢いよくビュゥゥウッッと吹き、雪煙を攫う。
目の前にいるのは、涎を垂らしている無数のバケモノ達。
「……相変わらず気持ち悪いな」
ウサギを見たヨースケは息をついて言った。
サイのような胴なのに、手足に鋭い爪。
尻尾と模様はチーターのようだった。


