それから激しい攻防戦となった。
ヨースケさんが突けばジューシローさんが躱して追撃し、ジューシローさんが打ち込めばヨースケさんが受け止める。
そして受け止めたヨースケさんは、足を使ってジューシローさんの脛を蹴ろうとしたり、彼の足を踏みつけようとしたり。
彼は躱したが、二回だけ足を踏みつけられていた。
それで怒ったのかは分からないが、彼の攻撃するスピードが少し上がっていたような気がした。
これを見ていたら、さっきギルが言って意味も分かる。
「……すごい…」
見るだけでも勉強になる。
「ヨースケは何でもできるから」
ふと、ギルが二人を見たまま言った。
「あいつは普段、ツメ使ってウサギ倒してるし」
私はヨースケさんとジューシローさんに視線を戻す。
攻防戦が続いているのかと思いきや、二人は急に距離をとった。
決着をつけるのだろうか。
「おっ」
ギルがワクワクしたような声音で穴が開くように見る。
距離を詰めるジューシローさんに対し、ヨースケさんは彼をギリギリまでひきつけ、逆さの六の字を描くように太刀打でジューシローさんの頭を狙って叩く。
それをいとも簡単に躱したジューシローさんは、ヨースケさんに斬りかかる。
しかし素早く槍をたぐい寄せたヨースケさんは、彼の木刀を弾くように槍を払う。
-----カァンッ
ジューシローさんの木刀は先程のヨースケさん同様、持つ部分の関係で明後日の方を向いてしまった。
ヨースケさんは止めだというように、木刀を突く。
-----カッ
乾いた短い音がして、ジューシローさんの右腕が勢いよく振れた。
だけど木刀が彼の手から滑り落ちることはなかった。
その刹那。
ジューシローさんは、剣先が下に向いたままの木刀をヨースケさんの右下から左肩に斬り込む振りをして、サッと木刀を右手から左手に持ち替えた。
「「「!!?」」」
ギルと私の息をのむ音が聞こえ、槍を横一直線にして持っていたヨースケさんが目を見開く。
「おおっ」
すぐにギルが歓声を上げた。
ジューシローさんはガラ空きになっているヨースケさんの脇腹の近くで木刀を止めていたのだ。


