「ねぇ、ヒヨコ」


不意に私の隣にいるシロさんが、優しい声音で呼んだ。


「君は来世って信じる?」


そう言う彼は、何を考えているか読み取れない表情をしていた。


「一応…」


馬鹿にされるんだろうなと思いながらも口に出した答えを、彼はただ複雑な思いを抱いているような目をして聞いているだけだった。


「じゃぁ、来世で会えるといいね」


シロさんはそう言い、吹っ切れたように前を向いた。


「…え……」


――分からない


シロさんが何を考えているか、全く分からない。


もしかして、彼はここで死ぬつもりなんじゃないか。


なんて、そんな考えが過った。