「な…何言ってんだよ。その状態であいつら倒すって言うのかよ…」
アルの頬に涙が伝った。
「泣かないで、アル。それが僕らプロヴァーレの仕事だから」
フィーネさんが微笑む。
〝僕らプロヴァーレの仕事だから〟
なに、その言葉。
まるで、それだけの為に生まれてきたのだ、とでもとれる言い方。
「なんでお前らだけなんだよ!!?強制したら奴らを確実に倒せる確率が上がるじゃねぇか!!!それに命なんて今さら惜しくとも何ともねぇよ!!!」
「惜しくなったから!!!」
アルの大声に対抗するように、リャノが声を張り上げる。
それは誰もが思ってもみなかったことで、ここにいる人の視線が彼に注がれた。
「命が惜しくなったから、ウルノは逃げた」
悔しそうにそう言う彼は辛そうだった。
そんなリャノを、血の付いた畳を余所に置いたギルが、まるで恋人のように抱きしめる。
彼の肩が震えていた。
「強制してたら更に逃げ出してたかもしんねーし」
ジルが、たまったもんじゃねーと肩を竦める。
「そもそも俺らがこんな体になったのだってLunaを倒す為だからさ。そいつらが聖戦に行かないのはおかしいだろ?」
「じゃ、じゃぁ…死ぬまでここから出れないっていうのは、」
「Lunaを倒すための捨てゴマを減らさないようにするからに決まってんだろ」
ジルがアルをなだめるように言い、私の言葉を吐き捨てるようにギルが紡いだ。
「お前らそれを知って尚…ずっとここに?」
「んー…まぁ、逃げれねーし。そうなるか」
ラガーの言葉をサラリとかわして、軽くジルが笑う。
「何故―—」
「ヒヨコ。その頭、飾りなの?」
私の言葉を、眉間にシワを寄せたシロさんが遮った。
いつにも増して彼の目が冷たい。
「……っ…」
バカなことを言ってるのは自分でもわかっている。
だけど、聞かずにはいられなかった。
「ジューシロー」
まるで子供を叱るように、ヨースケがシロさんの名を呼ぶ。
「コウガ、さっきフィーが言ったろ?〝Lunaを倒すのが俺らの仕事だ〟って」
俺らはそれしか出来ねえの。
ジルはそう言い、目を伏せた。


