天を衝く槍



「他は?」


それから暫く経って、フィーネさんが私たちを見渡す。


誰も何も言わない。


気になることが尽きたのだろうか。


と、そんな辺りを見渡していた彼と目が合う。


何故か彼は思い出したような表情を浮かべ、私に向けて微笑んだ。


……?


どうしたんだろ?


「鍵を返すよ、コウガ」


そんな彼の優しい声音が耳に纏わりつく。


―—鍵?


聞き覚えのあるような無いようなその単語に、私は眉を顰めた。


「君が聞きたいことは何?」


「…あ……」


その言葉と共に思い出される、彼の言葉。


『知らない方が幸せな時だってあるでしょ?』


思い出した彼の言葉でハッとする。


そうだ。


確かフィーネさんは、私がとある劇中のセリフをもじって言った言葉に、分かったと答えた。


それがもし、今なら。


「………………………」


私が彼を見ると、彼は頷いた。


只ならぬ緊張感にゴクリと唾を飲み込む。


「……聖戦って…なんですか」


それを聞いたフィーネさん以外のプロヴァーレが反応した。


ギルはキールと出会った時のように目を鋭くし、ジルは驚いたように目を見開く。


そしてシロさんは下げていた瞼を上げ、相変わらず冷たい目で私を見た。


まるで、どうしようもない子だね、とでも言いたげに。