「あと、これ」
アルは少し古ぼけた緑色のノートをテーブルの上に置いた。
「アル、ドロボウしてきたの?」
「違う。借りてきたの」
彼女は私のボケにあまり興味を示さなかった。
「これ、誰がつけてたのかは知らないけど、ちょっと気になることが書いてあった」
彼女はそう言い、ページをめくる。
「どこにあったの、これ」
「資料室の隅。棚の後ろに隠されてた」
―—隠されてた?
「なんで見つけたの?」
アルのページをめくる手が止まる。
「……小説とかみたいに、隠し扉があるんじゃないかって思ってさ」
彼女は照れくさそうに、ホラここ古臭いじゃんと、付け足す。
「………………………」
「で、それ探してたら資料室の奥。昔使ってたトコだと思うけど、そこの壁と棚の隙間にそれがあった」
「………………………」
ふと、そのページが目に留まった。


