「随分顔を見せないと思ったら、こーんな再会とはね」


「……ハイ…マジすんませんした」


ギルが看護師長さんに怒られている。


私たちがギャーギャー騒いでいた所為で。


本当は私もギルの隣にいた方がいいと思うんだけど、オロオロしているうちにギルがあの看護師長さんに捕まってしまったのだ。


因みにヨースケは気づいたらいなくなってた。


……嵐のような人だな…。


だけどシロさん曰く、彼は任務に行ったらしい。


元々、任務に行く途中で私とギルが騒いでいるのを聞きつけて来たらしいから。


「アンタいつからここに居んのよ」


「……覚えてません」


「覚えてないくらいずっとここにいんでしょ?」


「…ハイ」


「規則くらい分かるわよねぇ?」


「……ハイ」


ギルが看護師長さんにガミガミと怒られて正座をさせられていて、痺れたのだろう。


彼の足が少しピクピクしていた。


「あれ、ギル怒られてんの?」


私たちが遠目でギルを見ていると、声が降ってきた。


振り返ると、そこにはゆるいジャージを着ているジルが不思議そうにつっ立っていた。


「見ての通り、ギルが怒られてる」


シロさんが言った。


「なんで?」


「さ…騒いだから?」


「なんで疑問系なんだよ、コウガ」


「え…っと、それは……」


私の所為です、と言えたらいいのだが、何故か言葉がスラスラと出てこない。


チラリと助けを求めるように、私はシロさんに視線を移す。


それに気づいた彼は困ったように息を吐いた。


「ヒヨコと騒いでたからね」


シロさん、それ助け舟じゃない!!!


私はそんな風に思いながらキッと睨みつけてみる。


だけどそれもシロさんにギロリと睨まれて、敵わなかったので慌ててやめた。